岩佐又兵衛全集

実質的に浮世絵の創始者であった岩佐又兵衛。しかし、この日本絵画史上、最も重要な画家のひとりは、長らく謎に包まれた存在であった。
〈奇想の系譜〉のトップ・バッター、又兵衛の全作品を初めて集成した大型美術書。
絵画篇には主要絵巻を含め全点カラー図版掲載。研究篇には現在望みうる最高のメンバーによる、新知見を盛り込んだ論考・作品解説・関連史料・参考作品・文献目録等を収める。

 

【本書の特徴】

◎きわめて個性的で、抜群の技量と現代人に訴える斬新さを持ち、ときに暗いユーモアと残酷さに傾く又兵衛の絵画。その多彩な画業の全貌を、風俗画、故事人物図、絵巻、歌仙絵、山水画等に分類して示す。
◎主要作品は、部分図を含む大型カラー図版で掲載。歌仙絵など点数の多い作品も基本的に全点収録。
◎12巻以上から成り数種類もある長大な絵巻群。その主要なものを全巻カラー図版で掲載。公開される機会が稀な絵巻の巻頭から巻末までを紙上で熟覧することが可能となる。絵巻の理解のため、場面解説および詞書の翻刻も収録。
◎現在望みうる最高のメンバーによる、新知見を盛り込んだ充実の論考、作品理解の助けとなる詳細な解説を載せる。また、関連史料や参考作品、参考文献を収録。図版とテクストの両面から、謎に満ちた又兵衛の真相に迫る。
◎これまでの又兵衛研究の到達点を示し、今後の研究の基本文献たる内容を目指した。